かぼちゃの馬車とは?1億円の負債だけが残った投資のカラクリは?

かぼちゃの馬車とは?1億円の負債だけが残った投資のカラクリは?

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2018.09.13

目次

FC東京の選手の中でも流行り、多数の被害者がいるとされる「かぼちゃの馬車問題」。

700人もの被害者に加えて、不動産会社だけでなくオーナーへ融資をした銀行も巻き込む事態に発展した今回の一連の事件を解説します。

かぼちゃの馬車とは

「かぼちゃの馬車」は女性向けシェアハウスの名称で、株式会社スマートデイズという東京の不動産会社が多数のオーナーとサブリース契約を結び、運営をしていました。

関東エリアに数百棟の建物と、1万室を超える部屋を管理していたとされます。

問題の発端は、かぼちゃの馬車の入居率の低さからスマートデイズが決められた家賃収入をオーナーへ払えなくなったことで、ローンの返済ができなくなるオーナーが多発しました。

スマートデイズは2012年に設立された比較的新しい会社であったにも関わらず、急成長して多くの管理物件を抱えており、シェアハウスの運営だけでなく、入居者へ仕事の斡旋事業を行い、上京したての女性をメインターゲットに入居者を募集するビジネスモデルが売りでした。

かぼちゃの馬車のような1棟売りの不動産投資のオーナーへの触れ込みは、初期投資は少なくローンで物件を購入できる上、高利回りでサブリースなので将来的に家賃収入まで保証するというパターンです。

サブリースという手法は、不動産投資の中でもオーナーの負担が少なく、初心者でも確かに始めやすい投資です。

しかし、実際にはスマートデイズはメインバイクのスルガ銀行からの取引を中止されると、一気に資金繰りに窮し、平成30年1月にオーナーへの家賃の支払い停止を発表、大きく報道されました。

5月には民事再生が認められなかったため、破産手続きに移行し、多くのオーナーへ融資を行っていたスルガ銀行の責任も問われる事態となりました。

『かぼちゃの馬車』の支払い停止はなぜ起こったのか

都心を中心に急成長したシェアハウスですが、充実した共用施設が使えるというのがメリットです。

しかし、かぼちゃの馬車は充実した共用施設があるわけではなく、部屋も狭く立地も駅から近いわけでもないというシェアハウスでした。

かぼちゃの馬車は、家具家電がついて初期費用がなくても入居しやすいといメリットがありましたが、結果として人気が出ず、空率が多くなりました。

都心部でも賃貸住宅の空き家問題は深刻で、建てたからといって入居者が集まるという時代ではありません。

それでも人口減少時代に賃貸住宅は次々建築されますが、不動産投資で一番利益が大きいのは、新築されたときだからです。

通常の一般消費者が購入する建売住宅でも少なくても20%は粗利になります。

今回のように投資用であれば、それ以上の利益率にできますから、新築すればするほど儲かっていたでしょう。

建築会社からキックバックがスマートデイズにあったとされており、空室が埋められない以上、新築時の利益で経営が辛うじて回っている状態でした。

サブリースのメリットとデメリット

かぼちゃの馬車に限らず、アパート経営において一括借り上げ、30年間家賃保証と謳われるものがサブリースです。

オーナーは建物は所有するが、賃貸に関してはサブリース会社に完全に委託し、管理をしてもらう仕組みです。

オーナーは1棟丸ごとをサブリース会社に貸し出す契約をして、1部屋ずつの入居者の募集や管理はサブリース会社が行います。つまり、不動産の又貸しというわけです。

メリット

一括借り上げ、家賃保証というのは、 空室の有無を問わずその賃貸住戸の数に応じて、サブリース会社から決まった金額がオーナーに支払われます。 

ただし、賃貸に入居する人とオーナーの間にサブリース会社が入るため、オーナーが得られる収入は実際の家賃からサブリース会社が手数料を引いた残りになります。

ただ、不動産投資にとって空室対策というのは最重要課題なので、空室リスクを負わなくて済むという点は、オーナーにもメリットがあります。

デメリット

一方でデメリットもあります。

あまり知られていませんが、30年間の家賃保証でも、実務的には2年~5年程度のサブリースの契約更新をしながらなので、オーナーの家賃収入も築年数とともに少しずつ下がっていきます。

当初の家賃収入を永久保証というわけではないのです。

また、サブリース会社は空室を嫌うので、部屋を埋めるために入居者についても審査が甘くなりがちです。
入居者の質が悪くなりがちといわれるのはこのためです。

その他

他にも賃貸借契約の際に発生する敷金や礼金、数年に一度発生する更新手数料はオーナーではなく、借り手と賃貸借契約を結んでいるサブリース会社に入ります。

不動産経営では、管理のみや滞納問題のみを業者に任せる方法もありますが、サブリースはすべてを業者にお任せするスタイルです。

空室時の収入ゼロのリスクを負わなくていい代わりに、サブリース会社にも金銭的メリットがある仕組みなのです。

オーナーにリターンは少ないですが、リスクも少ないため、 不動産投資の中でも初心者向け であると言えます。

シェアハウスのかぼちゃの馬車は、オーナーがスルガ銀行から融資を受けて購入し、スマートデイズとサブリース契約を結ぶことで、オーナーは安定した家賃収入を得られる仕組みでした。

ほとんどのオーナーは融資を受けて物件を購入していますから、スマートデイズからの家賃収入でその返済をしなければなりません。

資金繰りに困窮し自転車操業だったスマートデイズは、とうとうオーナーへの家賃の支払いができなくなりました。

オーナーの収入はスマートデイズ頼みですから、ローン返済中のオーナーはスルガ銀行への返済もできなくなったのです。

ワンルームマンション投資との違い

ワンルームマンションはマンションの中で1部屋単位で購入します。立地にもよりますが、1部屋の価格は2,000万円台から3,000万円です。ワンルームマンションですから、手元に残る月々の収入は多くても数万円程度です。

一方で今回のかぼちゃの馬車で用いられたシェアハウスの投資は1棟の建物のオーナーになる不動産投資です。

部屋が多いほど家賃収入も増えて、しかもサブリースで管理の負担もない不動産投資というわけです。

ただ購入しているのは1棟の建物ですから、安くても1億近くのローンになります。

今回問題になっているのは、審査も厳しいはずのローンであるにもかかわらず、資産の少ない人にも億という貸し付けをスルガ銀行が行っていたことです。

投資用の不動産の建築には一般的にはアパートローンと言われるものが使われますが、自宅を購入する住宅ローンとは異なり、金利も高い商品です。

資産が少ないと、家賃収入なしではたちまち返済不能に陥るリスクが高いです。

スルガ銀行の問題点

一連の問題でオーナーへ貸付を行っていたスルガ銀行についても様々な指摘が上がっています。

スルガ銀行については、元々「外国人向けの住宅ローン」など、他の銀行ではほとんど取り扱いを行わないような金利の高いローンも積極的に扱っており、地方銀行の中では高い収益を誇っていました。

被害者側は、預金残高の改ざんなどがあり、本来審査が通らない人へもスルガ銀行が融資を行っていたと主張しています。

また、スルガ銀行の支店でスマートデイズの説明会が開かれていたこともあるため、加担していたとの見方もされているのです。

銀行側も書類改ざんの認識があったことを認めており、融資が通らない人へ多額の融資を行ったことへの責任を追及されています。

特定の金融機関がある不動産会社と提携して融資を行うことは珍しいことではありませんが、審査書類の改ざんを認めることになり金融庁の調査が入る事態になりました。

貸し倒れになる不良債権がどれほど発生するのか懸念されており、スルガ銀行の好調だった業績にも影を落とすことになりそうです。

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