媒介契約の種類と選び方とは?メリットとデメリットで選択!

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2018.12.10

目次

「媒介(ばいかい)契約」には3種類あることをご存知ですか?

宅地建物取引業では、売却の仲介を依頼することを媒介契約といいます。
不動産業者との媒介契約の種類について、ご説明します。

媒介契約3種類の違い

下記の5項目が契約ごとに異なります。
ちなみに、成約した時の仲介手数料は変わりません。

複数の不動産業者との契約

複数の不動産業者と媒介契約を結ぶことができるかどうかが異なります。
不動産業者同士が競ってくれるメリットがある一方、不動産業者からすると競いたくないという本音もあります。

自己発見取引

不動産業者が買主を探してくる以外に、売主自らが、知人や親戚で買ってくれる人を見つけることを「自己発見取引」と呼びます。

媒介契約を結んだ不動産業者を使えば、当然仲介手数料がかかりますが、売買契約に不動産業者を使わなければならないルールはありませんから、自己発見取引で買主を見つけられれば、仲介手数料は節約できます。

契約期間

売却はできるだけ早めにしてほしいですよね。媒介契約も契約期間には上限があります。
更新についても、書面で行うことが一般的です。

指定流通機構(レインズ)への登録までの期間

不動産取引はレインズを使って、不動産業者同士が情報を共有しています。
レインズに登録することで、媒介契約を結んだ不動産業者以外の不動産業者からの問い合わせが入る可能性があり、成約できる可能性が格段に上がります。

販売状況の報告義務

売主に対して、不動産業者は定期的に販売状況の報告義務が発生します。
頻度が媒介契約の種類によって異なります。

一般媒介契約

最も制限が少ない媒介契約です。

複数の不動産業者との契約

可能です。
さらに、複数の不動産業者に頼んでいることを伝える明示型と伝えない非明示型に分かれます。
売主は、自分が良いと思う不動産業者に何社でも売却の依頼ができるという訳です。

自己発見取引

可能です。
自分で見つけた買主と直接売買契約を結ぶことができます。

契約期間

定めはありませんが、標準的には3ヶ月であることが多いです。
3ヶ月よりも長くすることも問題ありません。

指定流通機構(レインズ)への登録までの期間

レインズの登録は任意であり、必須ではありません。
この点が他の媒介契約との大きな違いです。

販売状況の報告義務

定めがなく、任意です。
もちろん売主に報告を求められた不動産業者は答える必要がありますが、他の媒介契約の定期的な報告義務に比べると、自由度が高くなっています。

専任媒介契約

次に制限が増えるのがこの契約です。

複数の不動産業者との契約

不可です。
一般媒介契約以外は、不動産業者1社としか、媒介契約は結べません。

自己発見取引

可能です。
自分で見つけた買主と直接売買契約を結ぶことができます。

契約期間

最長で3ヶ月であると定められています。
これ以上の長い契約期間を定めても無効になります。
また、自動更新という特約もできず、3ヶ月経過のタイミングで不動産業者からの書面で確認がなされます。
勝手に自動更新で媒介契約が続いていた、ということは避けられるのです。

宅地建物取引業法では、消費者保護の観点から、「消費者に不利な特約は無効」という考えがあり、不動産業者が売主を長く拘束することがないように規制されています。

指定流通機構(レインズ)への登録までの期間

レインズの登録は、媒介契約後に7日以内に行います。
一般媒介契約と異なり、不動産業者は1社しか頼めないのですから、その不動産業者がしっかり営業してくれないと、売却も決まりませんよね。
レインズに登録されれば、他の不動産業者も見られる訳ですから、買主がより見つかりやすくなります。
速やかに登録をするということが、消費者の利益を守ることになるのです。

販売状況の報告義務

14日に1回以上の報告義務があります。
一般媒介契約では、報告義務は規定がありませんでしたが、専任媒介契約と専属専任媒介契約では、1社しか頼めない制限がある代わりに、進み具合をきちんと売主へ報告することが定められているのです。

専属専任媒介契約

最も制限が多いのがこの媒介契約です。
不動産業者からは、専属専任媒介が最も好まれます。

複数の不動産業者との契約

不可です。
専任媒介契約と同じく、不動産業者は1社としか媒介契約を結ぶことができません。

自己発見取引

不可です。
自分で見つけた買主と不動産業者を通さずに売買契約は結べません。
売買契約を結ぶには、媒介契約を結んだ不動産業者を通す必要があります。
専任媒介契約との大きな違いは、この自己発見取引にも制限があることです。

不動産業者としては、ライバルがおらず、自己発見取引もできないため、仲介手数料が得られる可能性が最も高くなる媒介契約です。

契約期間

専任媒介契約と同じく、最長でも3ヶ月までしか結べません。

指定流通機構(レインズ)への登録までの期間

レインズの登録は媒介契約後に5日以内に行う必要があり、もっとも速やかに登録することが決められています。

販売状況の報告義務

7日に1回以上の売主への報告が必要です。
最も密に不動産業者は売主に報告をして、フォローする必要があります。

どの媒介契約が一番いいの?

以上のように、もっとも自由度が高いのが「一般媒介契約」、決まりが多いのが専属専任媒介契約です。

3つの中では、不動産業者側は専属専任媒介契約を好みます。
なぜなら、もっとも利益が確保しやすい媒介契約だからです。
不動産売却では、媒介契約を結んだからといって、仲介手数料は発生しませんし、売却活動中も費用の請求があることは原則ありません。

売買契約が成立した時に仲介手数料が発生する完全「成功報酬型」なのです。
売却物件の広告費も不動産業者負担が原則のため、売主が負担することはほぼありません。

逆にいうと、一般媒介契約では先に有利な買主を見つけた不動産業者1社だけしか、売主に仲介手数料を請求できません。

一般媒介契約には、広告を出して頑張って買主を見つけても、他者に取られてしまうリスクが不動産業者側に常にあるのです。
頑張っても赤字になる可能性すらあり、大々的な広告は避けたり、積極的に売主に対して活動状況を報告する手間を省きたいと考えるかもしれませんよね。

一般媒介契約のメリットは、不動産業者同士が競いあって、より良い買主が見つかる可能性があること。
しかし、デメリットとしては、競いあってもくれない可能性もあること。
不動産業者側にはメリットがないため、「一般媒介契約で良いですよ」と不動産業者側から言われることはまずありません。
売主からの依頼で、一般媒介契約になるのです。
不動産業者から、これは売りにくいと見限られると、熱心に売却活動をしてもらえなくなることも。

また複数の業者に依頼するということは、売主自身が媒介契約を結んだ全社との調整を行う必要がでてきます。
物件価格や条件に変更があったときや、内見の時間調整は全て売主が媒介契約を結んだ一社一社へ連絡しなければならないため、この煩雑なやりとりは一般媒介契約のデメリットといえます。

不動産業者にとっては、仲介手数料がもらえる(専属)専任媒介契約が最優先で、一般媒介契約は優先度が低くなるのです。
ただし、相場よりも元々安く売り出しても構わないと思っていたり、稀にある売りに出るとすぐに売れるマンションなど、ピンポイントの好条件物件であれば、一般媒介契約でも十分不動産業者は頑張ってくれる可能性があります。

では、(専属)専任媒介契約がいいのか?という話になりますよね。
1社にしか頼めない専任媒介契約は、不動産業者の営業も優先的に売却活動をしてくれます。
仲介手数料も保証されますから、広告費も掛けやすくなります。

しかし、デメリットとして1社にしか頼まないがために、いわゆる「囲い込み」の可能性が排除できないこと。
囲い込みとは、自社で売主と買主双方から仲介手数料を得るために、買主側の他の不動産業者からの問い合わせにきちんと対応せずに、自社の買主を優先することです。

双方から仲介手数料が業者に入るため安易な値引きが発生し、売主の利益が最大限守られない可能性があるのです。
専任媒介契約を結んでいる仲介業者が買主を見つけ、大幅な値引きがあった場合は要注意です。

私がいいたいのは、家を売る時にどの媒介契約を選択するかが重要ではなく、『信頼できるいい営業担当に出会うこと』が最も大切ということです。

それを踏まえて、自己発見取引が可能な専任媒介契約をオススメします。

媒介契約は選びきれない

不動産売却では、融通が利く一般媒介契約が良い、1社に絞って熱心に営業してもらえた方がいい、などさまざまな考え方ができますね。

結局のところ、信頼できる「いい担当」に出会えるかが一番大切になってきます。

家を売るにはまず、「 不動産一括査定サイト 」で複数の不動産業者を探すことがおすすめです。
いくつかの不動産業者を自動でピックアップしてくれ、おおよその査定額も複数得られます。
査定までのスピードも早く、対応も早いです。

査定額を比較しつつ、信頼できる「いい担当」を見つけて、あなたに合った媒介契約を選んでください。


soraki

宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。 新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。 その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。

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